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ホエイエキス

 
酪農家こだわりの高品質ヨーグルトから
  ~ホエイエキス~2019.07.31

乳牛の飼育環境へのこだわり
100%生乳・乳成分保持のための新鮮加工
ヨーグルトホエイによる肌荒れ改善・エイジングケア原料


1. ホエイについて

全乳または脱脂乳の水溶液を乳酸菌で発酵させて生じる凝固物を除去した透明な液体をホエイ(乳清)といいます。
保湿性、吸収性にすぐれ、また皮膚の柔軟作用や損傷皮膚修復作用があると言われています1)。
本ホエイエキスには、新潟県阿賀野市のヤスダヨーグルト社製のヨーグルトホエイを使用しています。

<牛乳へのこだわり>
ヤスダヨーグルト社は酪農家によって設立された会社であり、牛乳に3つのこだわりを持っています。

◆酪農地の限定
 地元のホルスイタイン種に限定しており、乳牛が育つ餌や環境まで素材情報を把握しています。
◆生乳100%を使用
 生乳100%なので、生乳が本来持つ成分をそのまま残したヨーグルトを製造しています。
◆鮮度の保持
 搾乳から1日以内に加工されるため雑菌増殖が少なく、加工時の殺菌温度を低く維持できるため、生乳由来の成分が保たれます。
 
<発酵菌へのこだわり>
ヤスダヨーグルト社は、乳酸桿菌(Lactobacillus bulgaricus)だけでなく、
乳酸球菌(Streptococcus thermophilus)との2菌種による乳酸発酵法を取り入れています。


2. ホエイに含まれる有効成分 -既知情報-

<ラクトフェリン>
牛乳に含まれる生理活性物質です。高い抗酸化能と皮膚本来の防御機能を高める働きを持っており、SOD(活性酸素消去物質)と同様な抗酸化能をもつと言われています。
<グルタミン酸>
天然たんぱく質中の主要構成成分であり、遊離の状態で生体組織や食品中に広く存在しています。多くの物質の生体内代謝に重要な役割をはたすアミノ酸と言われています。
<アラニン>
糖質代謝に重要な関連をもち、脂肪酸の生合成に関与しているアミノ酸です。NMFにも含まれていると言われています。
<ビタミンB類>
チアミン類(ビタミンB1類)は穀物胚芽、緑色野菜、牛乳、落花生渋皮に比較的多く含まれる抗脚気因子として見出された水溶性ビタミンです。ビタミンB1が欠乏すると、体のむくみ、疲れやすく、息苦しくなると言われています。
リボフラビン(ビタミンB2)は欠乏により、くちびるにおもに症状があらわれ、両端がただれ、くちびるが荒れてかさかさになると言われています。
ピリドキシン(ビタミンB6)は抗皮膚炎症性因子です。皮脂の分泌を抑える作用があり、ニキビ、肌荒れ、フケ、日焼けなどに対して改善効果があると言われています。
<乳酸>
動植物界に広く存在し、おだやかな角質溶解作用と共に、希釈液は殺菌作用もあると言われています。
<カルシウム>
カルシウムイオンは表皮細胞の分化・成熟に必要な成分です。また、生体内の各種酵素の活性化、筋肉の収縮、神経の伝達などにも関わっています。
<ラクトース(乳糖)>
ゆるく水と結合して水の蒸発を抑制する保湿効果に優れています2)。

なお、本原料のホエイエキスには、乳糖、乳酸、クエン酸、プロリン、グルタミン酸、アスパラギン、アルギニン、アラニン、ギャバ、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニンなどが含まれることを確認しています。

【参考文献】
1) 化粧品成分用語辞典 中央書院 (2012)
2) 化粧品成分ガイド 第6版 フレグランスジャーナル社 (2015)


3. 有効性情報と期待される効果

 

有効性情報
・NMFアミノ酸
・角層多重剥離改善
・コラーゲン産生促進
 

期待される効果
・保湿
・肌荒れ改善
・キメ改善
・しわたるみ改善
 

 


4. ホエイエキスはアミノ酸が豊富

 
ホエイエキスには遊離アミノ酸がバランスよく含まれています。そのなかでも、肌NMFの主要なアミノ酸であるGly、Ala、Ser、Thr、Asp、Hisなどの総量は従来のホエイエキスよりも3.2倍多く含まれていました。

NMFアミノ酸はNMFの約40%を占める肌の大切な保湿因子として、肌に潤いを与え、キメを整える効果をもちます。
 


5. ホエイエキスの肌荒れ改善作用 -角層テープストリッピング-

<試験方法>
洗顔後、恒温恒湿室で順化し、テープストリッピングにより角層を採取。被験品2週間適用前後のテープ角層をスライドガラスに転写して青色に染色。染色後、顕微鏡で観察

<結果と考察>
写真中のとくに青紫の濃い部分は、角層が重なって剥がれている多重剥離の状態です。荒れた肌では、一度のテープストリッピングで何層もの角層が剥がれる多重剥離が起こります。ホエイエキス30%配合化粧水を2週間適用した肌では、試験前の肌と比較して多重剥離面積が減少しました。このことから、ホエイエキスには肌荒れ改善効果が期待できます。


6. ホエイエキスのコラーゲン産生促進作用 -真皮線維芽細胞-

<試験方法>
真皮線維芽細胞を24時間培養。その後、ホエイエキス含有EMEMを加え24時間培養し、ELISAで定量
試験濃度:3.3, 33μg/mL

<結果と考察>
ホエイエキスは線維芽細胞のコラーゲン産生量を増加させました。真皮の乾燥重量の約70%はコラーゲンであり、これは真皮中に存在している線維芽細胞により合成されています。力学的な強度と若干の弾力性により、肌に弾力やハリを与えています。皮膚のコラーゲン合成を活性化させることによる、皮膚のしわ・たるみの改善効果が期待できます。


7. 原料情報

原料情報
・国産ヨーグルトホエイ(ヤスダヨーグルト社)
・表示名称:加水分解ホエイ
・INCI名: Hydrolyzed Whey
・中文名称:なし

安全性情報
・24時間閉塞パッチテスト:刺激性なし
・SIRC細胞を用いた眼刺激性試験:刺激性なし
・ROSアッセイによる光毒性試験:陰性



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