淡竹パウダー/エキス
静岡県掛川産、微細孔をもつ超微粉竹パウダー
FGP ~ 淡竹パウダー/エキス ~2019.07.30
竹は1日1m成長する生命力の象徴
生薬としても使われる淡竹
繊維を残さない細孔構造をもつパウダーと抗老化エキス原料
FGP: ふるさと元気プロジェクト
1. 淡竹とは
イネ科マダケ属、学名「Phyllostachys nigra 」
淡竹は中国中部に多く分布しますが、日本にも野生があったとする説もあります。渡来時期は不明です。高さは10~15m、直径3~10cm、の円柱状です。
淡竹は昔から漢方薬として使われてきた歴史があります。淡竹の葉は「竹葉」という生薬で、解熱・利尿作用があり、淡竹の茎の内層は「竹茹」とよばれる生薬で、解熱・鎮吐作用があります。
竹は1日に1m以上も伸びるとされていますが、その利用用途は乏しく燃やされるだけでした。当社では丸大鉄工株式会社の開発した竹粉砕機により実現した、竹の繊維構造を残さない製法で製造したパウダーを化粧品原料として使用しています。静岡県掛川産の淡竹のみを使用した粉末は石鹸への配合が可能です。さらに、この粉末より抽出した淡竹エキスも提供しています。
燃やされる運命にあった竹を化粧品に有効利用することで、環境にも配慮した製品といえます。
<参考文献>
・塚本洋太郎著 園芸植物大事典 小学館 (1994年)
・特許公開:平6-55091「竹微粉末、超微粉末の製造方法及び脱臭抗菌剤」
<神聖な竹に秘められた神秘のパワー>
竹は昔から神様の降りるところ(依り代)とされ、神聖なものとして崇められてきました。地鎮祭で必ず四方に青竹を立てるのはそこに神様が降臨されるためであり、七夕飾りにも必ず竹が用いられます。
日本では縄文時代から竹が利用されてきましたが、奈良時代には中国から呉竹(淡竹)が輸入されました。平安時代初期には、日本最古の物語「竹取物語」が作られます。かぐや姫が後に月に帰るというファンタジーですが、実は静岡県富士市にはかぐや姫物語の別伝承が残っています。
2. 淡竹の粉の開発
3. 有効性情報と期待される効果
有効性情報
・角層水分量増加
・ラジカル消去
・コラーゲン産生促進
・細孔構造
期待される効果
・保湿
・抗光老化
・しわたるみ改善
・皮脂除去
4. 角層水分量の増加作用
淡竹パウダーを水に懸濁し、可溶化した水溶液画分を肌に塗布することで、角層水分量が増加することが示されました。この効果は塗布後120分でも持続しており、さらに塗布直後から精製水よりも有意に高いことがわかりました。
測定:SKICON-200EX-USB (I.B.S. Co.) により測定される電導度(μS)
5. 淡竹エキスのコラーゲン産生促進作用 -真皮線維芽細胞-
<試験方法>
真皮線維芽細胞を24時間培養。その後、淡竹エキス含有EMEMを加え24時間培養し、ELISAで定量
試験濃度:0.7, 7, 70μg/mL
<結果と考察>
淡竹エキスは線維芽細胞のコラーゲン産生量を増加させました。真皮の乾燥重量の約70%はコラーゲンであり、これは真皮中に存在している線維芽細胞により合成されています。力学的な強度と若干の弾力性により、肌に弾力やハリを与えています。皮膚のコラーゲン合成を活性化させることによる、皮膚のしわ・たるみの改善効果が期待できます。
6. 淡竹エキスの抗酸化作用
<試験方法>
ラジカル消去試験:DPPHラジカルの消去能を測定
試験濃度:7, 70μg/mL
<結果と考察>
淡竹エキスはラジカル消去活性を示しました。酸化はコラーゲンの分解や架橋形成、炎症反応にもつながり、しわ、たるみ、しみの原因となり、皮膚老化の一番の原因とも言われています。DPPHラジカルの消去作用によって抗酸化活性の指標とすることができます。紫外線暴露により生じるROSを消去することにより光老化抑制効果が期待できます。
7. 製品情報
原料情報
・表示名称:クロチク茎
・INCI名: Phyllostachys Nigra Stem Powder
・中文名称:なし
・表示名称:クロチク茎エキス
・INCI名: Phyllostachys Nigra Stem Extract
・中文名称:なし
安全性情報
・24時間閉塞パッチテスト:刺激性なし(粉末、エキス)
・SIRC細胞を用いた眼刺激性試験:刺激性なし(エキス)
・ROSアッセイによる光毒性試験:陰性(エキス)