琥珀ニンニクエキス
ふるさと元気プロジェクト [医薬部外品表示名称:ニンニクエキス]
琥珀色は皮膚への優れた機能の証
~琥珀ニンニクエキス~2019.07.08
ニンニク最高産地の青森県田子産
生産者が独自製法で作り上げた琥珀色は高機能の証
システインの元、S-アリルシステインを高含有
美白エイジングケア原料
FGP: ふるさと元気プロジェクト
1. ニンニクとは
ネギ科ネギ属の多年草で、学名「Allium sativum」
滋養強壮作用を持つ薬用植物として知られ、球根(鱗茎)が香辛料として用いられます。
ニンニクの特有の臭いは硫黄化合物に由来するもので、アブラナ科植物のイソチオシアネート(スルフォラファンなど)と同様に、植物にとってはその強い臭い、辛味、抗菌力などにより外敵から身を守る重要な成分です。植物における硫黄同化は、地球上における硫黄循環のキーステップであり、植物において硫酸イオンからシステインが合成され、そこから必須アミノ酸であるメチオニンが合成されます1)。ニンニクの臭い成分の元であるアリインもシステインの代謝物であり、それが酵素反応することで生まれるアリシンが臭い成分となります。ニンニクはとくに硫黄含量が高く、通常はアリインやS-アリスシステインといったアミノ酸として貯蔵されています。
S-アリルシステインには、肝細胞保護効果、大腸がんの予防効果、抗酸化作用があり、ニンニク由来の医薬品有効成分として知られています。S-アリルシステインは、生体内でシステインに変化するシステイン誘導体です。システインはアミノ酸の1種で、生体内では皮膚や毛髪などに存在します。システインはメラニンの産生を防ぐ医薬品として用いられています。ニンニクでは、システインにアリル基が結合していることで、S-アリルシステインはさらに強い抗酸化作用を持ちます。
<参考文献>
1) 斉藤和季ら 化学と生物 37 3 (1999)
植物の硫黄同化系の分子機構と制御
2. ”琥珀にんにく”は美白成分S-アリルシステインを高含有
美白成分として期待できるS-アリルシステインですが、通常の生ニンニクではS-アリルシステインが微量しか含まれていないため、その生理作用はほとんど期待できません。そこでS-アリルシステインの高含有化を実現したのが「琥珀にんにく」です。琥珀にんにくは通常のニンニクよりもS-アリルシステインが15倍以上も多く含まれています2, 3) 。この琥珀にんにくを使用した「フィトログ 琥珀ニンニクエキス」は、元来のニンニクエキスでは期待できなかった「S-アリルシステイン」の効果を期待できるエキスです。
琥珀にんにくは、青森県田子町で生産された福地ホワイト6片種の「たっこにんにく」から、田子かわむらアグリサービス(代表取締役 川村武司)が青森県の特許技術をもとに、試行錯誤を続けて独自に開発した製法で作られています。田子町の女性は、高齢であってもたいへんな美肌の持ち主が多く、とくに肌年齢の若さは驚異的で、きめ細かく白く、これもにんにくを常食しているおかげといわれています。
<参考文献>
2) Yamazaki Y. Okuno T. Nippon Shokuhin Kagaku Kogaku Kaishi. 55(9) 410-415 (2008)
Accumulation of S-allyl-L-cysteine in garlic bulbs by warming.
3) 山崎賀久 特許第4070138号 (P4070138)
たっこにんにく
琥珀にんにく
3. S-アリルシステインによるメラニンスイッチ制御
メラニンは2種類あり、黒褐色のユーメラニンと、色の薄い黄色のフェオメラニンにわかれます。シミなどの色素沈着は、このユーメラニンの過剰生産が原因となっています。 S-アリルシステイン(SAC)はシステイン誘導体です。システインはシミの元である黒色ユーメラニンになる前のドーパキノンと結合してシステイニルドーパを生じ、色の薄いフェオメラニンが生成されます。それによりユーメラニンの割合を減らすことでシミ・ソバカスを予防します。また、紫外線やストレスなどによって発生した活性酸素が、メラノサイトを活性化することでユーメラニンが生成されます。S-アリルシステインは強い抗酸化作用を有しているため、活性酸素を除去することでしみ・そばかすの生成を防ぐことが期待されます4,5)。
<参考文献>
4) 川瀬一朗 小貫洋一 COSMETIC STAGE. 3(2) p7-13 (2008)
色素沈着症に対する改善効果がある経口投与医薬品の開発
5) 山崎毅ら 日本薬理学雑誌 110 138-141 (1997)
ニンニク製剤およびニンニク由来イオウ化合物の抗酸化能
4. 琥珀ニンニクエキスに含まれる主要なアミノ酸 -LC-MS-
コラーゲンなどのタンパク質の構成分子としてのリシンとアルギニン残基は糖化反応を受けやすく、AGE化して線維間架橋を形成し、そのためコラーゲンは可動性を失ってしまいます6)。一方、遊離のリシンとアルギニンは、自身が糖化・カルボニル化されることによって、タンパク質を保護することが考えられます7)。タンパク質の糖化とカルボニル化は皮膚の老化に大きく関わっています。琥珀ニンニクエキスに豊富に含まれるアルギニンにより、抗糖化作用が期待できます。
6) Fisher GJ et al. Nature 379 335-339 (1996)
Molecular basis of suninduced premature skin ageing and retinoid antagonism.
7) Iwai I et al. J Soc Cosmet Chem Jp. 42 16-21 (2008)
角層タンパク質のカルボニル化による肌透明感の低下
5. 有効性情報と期待される効果
有効性情報
・アミノ酸
・ラジカル消去
・スーパーオキシドアニオン消去
・色素細胞刺激因子抑制
・チロシナーゼ阻害
・細胞賦活
・コラーゲン産生促進
・抗糖化/抗カルボニル化
期待される効果
・抗酸化
・抗光老化
・美白
・しわたるみ改善
・くすみ改善
・しもやけ改善8)
<参考文献>
8) 鈴木守 幸書房 (1994)
コスメトロジーの実践-皮膚と化粧品の品質-
6. 琥珀ニンニクエキスの色素細胞刺激因子発現抑制作用
<試験方法>
ヒト表皮角化細胞を24時間培養。その後、琥珀ニンニクエキス含有DMEMを加え48時間培養。RNA抽出よびcDNA合成、cDNAを用いてRT-qPCR
試験濃度: 1, 10μg/mL
<遺伝子の特徴>
EDN1(Endothelin-1:エンドセリン-1)表皮細胞から産生されるサイトカインの1つ。紫外線などの影響により表皮細胞で作り出されたエンドセリン-1は色素細胞を刺激し、色素細胞内のチロシナーゼを活性化させメラニン産生を促進します。
<結果と考察>
琥珀ニンニクエキスは、ヒト表皮角化細胞において、エンドセリン-1(EDN1)の遺伝子発現を抑制しました。紫外線などによって発生する活性酸素種(Reactive Oxygen Species, ROS)は、表皮細胞の様々な“遺伝子スイッチ”を入れ、IL1Aなどの炎症性のタンパク質の産生が促進されます。 EDN1は表皮細胞から分泌され、EPBRというレセプターを介してメラノサイトに信号を伝達、メラノサイトのチロシナーゼ活性を高めます。琥珀ニンニクエキスには、これらの因子を抑制することにより美白効果が期待できます。
7. 琥珀ニンニクエキスの美白作用 -in vitro-
<試験方法>
チロシナーゼ活性阻害試験:メラニン合成酵素チロシナーゼに対する阻害効果を、ドーパからドーパクロームの酵素生成物の量で測定
試験濃度:50μg/mL
<結果と考察>
琥珀ニンニクエキスはチロシナーゼ活性を阻害しました。チロシナーゼはメラニン産生に必須の酵素です。紫外線などの影響で活性化し、色素細胞中でチロシンというアミノ酸から段階を経てメラニンになる際に作用します。シミなど色素沈着のある肌で活性化しています。以上の結果から、琥珀ニンニクエキスには、システイン誘導体含有によるメラニンスイッチ制御の他に、メラノサイト刺激因子EDNとチロシナーゼ酵素の抑制にも効果があり、多様な作用点があることが示されました。
8. 琥珀ニンニクエキスの抗酸化作用
<試験方法>
・ラジカル消去試験:DPPHラジカルの消去能を測定
試験濃度:100, 300μg/mL
・スーパーオキシド消去試験:キサンチン/キサンチンオキシダーゼ系により生じるO2-を測定
試験濃度:1, 10μg/mL
<結果と考察>
琥珀ニンニクエキスはラジカル消去活性、スーパーオキシド消去活性を示しました。酸化はコラーゲンの分解や架橋形成、炎症反応にもつながり、しわ、たるみ、しみの原因となり、皮膚老化の一番の原因とも言われています。DPPHラジカルの消去作用によって抗酸化活性の指標とすることができます。琥珀ニンニクエキスは紫外線暴露により生じるROSを消去することにより光老化抑制効果が期待できます。
9. 琥珀ニンニクエキスの細胞賦活作用 -真皮線維芽細胞-
<試験方法>
真皮線維芽細胞を24時間培養。その後、琥珀ニンニクエキス含有
EMEMを加え48時間培養し、細胞数をMTT還元法でカウント
試験濃度:1, 10, 100μg/mL
<結果と考察>
琥珀ニンニクエキスは線維芽細胞を賦活しました。細胞賦活とは、正常細胞の増殖が活発になることを意味しています。線維芽細胞は、真皮層においてコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸を作り出す細胞です。加齢とともに、細胞の増殖速度が落ち、細胞から作りだされる成分も少なくなってしまいます。琥珀ニンニクエキスは細胞を元気にし、細胞の物質生産を促進させることにより、しわ・たるみ改善効果が期待できます。
10. 琥珀ニンニクエキスのコラーゲン産生促進作用 -真皮線維芽細胞-
<試験方法>
真皮線維芽細胞を24時間培養。その後、琥珀ニンニクエキス含有EMEMを加え24時間培養し、ELISAで定量
試験濃度:10, 100μg/mL
<結果と考察>
琥珀ニンニクエキスは線維芽細胞のコラーゲン産生量を増加させました。これにより、皮膚のしわ・たるみの改善が期待できます。
11. 製品情報
原料情報
・青森県田子町産、琥珀にんにく(田子かわむらアグリサービス)
・表示名称:ニンニクエキス
・INCI名: Allium Sativum (Garlic) Bulb Extract
・中文名称:蒜(ALLIUM SATIVUM)鳞茎提取物
安全性情報
・24時間閉塞パッチテスト:刺激性なし
・SIRC細胞を用いた眼刺激性試験:刺激性なし
・ROSアッセイによる光毒性試験:陰性