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徳之島みかんノビレチン

 
医薬部外品表示名称:チンピエキス
生命力あふれる長寿・子宝の島から
  ~ 徳之島みかんノビレチン ~2019.02.19

世界一長寿で日本一子宝の島、生命力あふれる徳之島の人々の健康を支える
野生の島みかんは高浸透ノビレチンを高含有
肌のはり・しわ改善、美白作用が期待できるエイジングケアのためのユーティリティー原料


1. 徳之島みかんとは

シークニン(学名:Citrus depressa)はムクロジ目ミカン科の香酸柑橘類の一つです。
鹿児島県徳之島のみに古来自生する島みかんで、
スーパーフードであるシークワーサーの野生種とされています。
徳之島は奄美諸島に属する離島で、世界一長寿の島*として有名で、昭和54年ギネスブックに長寿世界一と記録された泉重千代さんや本郷かまとさんが生まれ育った島です。
さらに、徳之島3町が全国で出生率1~3位という子宝の島でもあります。
このように、生命力が溢れる徳之島では徳之島みかん(シークニン)を予防薬、栄養補助食、食品として地元で利用していますが、化粧品としての活用事例はこれまでありません。
徳之島みかんの果皮には、ノビレチンなどの有効成分が豊富に含まれます。
徳之島みかんの搾汁残渣を化粧品素材として活用しました。

※世界一:
・日本が長寿世界一(2016年WHO報告)
・奄美群島の人口10万人当たり100歳以上長寿者比率144.5人、県別全国1の島根県97.5人
(H29年9月15日現在、鹿児島県奄美群島振興開発総合開発調査報告書H30.3月)
・100歳以上人口比率:徳之島0.21%、奄美諸島計0.13%で、奄美諸島の中で1位
(H27年9月15日現在、大島支庁情報誌、H27年第49号)


2. 徳之島みかんはポリメトキシフラボンを高含有

徳之島みかん果皮にはノビレチンなどのポリメトキシフラボン(PMF)が多く含まれています。PMFとしては、ノビレチンが最も多く、他にタンゲレチンやシネンセチンが含まれています。PMFは低分子かつ脂溶性であることから、フラボノイドのなかでもとくに経皮吸収性に優れる高浸透型フラボンです。

3. ポリメトキシフラボン(PMF)とは

柑橘果皮に特有な成分であり、とくにタチバナ(Citrus tachibana)、ポンカン(Citrus reticulata var poonensis)、ヒラミレモン(Citrus depressa:シークニン、シークワーサー)に多く含まれています。
フラボノイドの親水基が疎水基に置換されており、脂溶性の高い成分です。主に柑橘果皮の外層に存在し、紫外線から種子を守っていると考えられています。
食品業界ではすでに注目を集めている成分で、血糖値抑制作用や抗炎症作用、神経細胞を活性化させることから抗認知症効果があるとされています。
ノビレチンは美容分野でも研究が進んでいて、とくに抗炎症と美白作用が報告されています。
当社では、生命力溢れる徳之島伝統の島みかんの抗老化作用に着目して研究を進めてきました。


4. ノビレチンの角層浸透性試験 -テープストリッピング法-

<試験方法>
“徳之島みかんノビレチン”含浸パッチを6時間皮膚貼付し、パッチ剥離後皮膚を洗浄し、テープストリッピングで角層を1層ずつ採取しました。テープを溶媒で抽出し、LCMS-SIMで分析しました。
※ヘスペリジンとしては“四万十ぶしゅかんヘスペリジン”を用いた

<結果と考察>
SIM分析により、テープで採取した角層中のフラボノイドを高感度で分析しました。分子量610のヘスペリジンは角層の浅層で多く検出され、深層への移行は低いものでした。一方、分子量402のノビレチンは深層でも著量検出されました。このことから、PMFであるノビレチンは角層浸透性が高いことが示されました。


5. 有効性情報と期待される効果

 

有効性情報
・角層浸透性
・細胞賦活
・抗老化遺伝子発現促進
・炎症関連遺伝子発現抑制
・メラニン移送遺伝子発現抑制
・チロシナーゼ抑制 ※参考)
 

期待される効果
・抗炎症
・抗老化
・しわたるみ改善
・美白
 

<参考>
1) Yoshizaki N. et al. J Dermatol Sci. 88 78-84 (2017)
2) Kim HJ. et al. Photochem Photobiol. 91 379-86 (2015)
 

6. 徳之島みかんノビレチンの細胞賦活作用 -真皮線維芽細胞-

<試験方法>
真皮線維芽細胞を24時間培養。その後、エキス含有EMEMを加え48時間培養。細胞数をMTT還元法でカウント。
試験濃度:2μg/mL

<結果と考察>
“徳之島みかんノビレチン”は線維芽細胞を賦活し、その作用はシークワーサーよりも高いものでした。細胞賦活とは、正常細胞の増殖が活発になることを意味しています。線維芽細胞は、真皮層においてコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸を作り出す細胞です。
加齢とともに細胞の増殖速度が落ち、細胞から作りだされる成分も少なくなっていきます。
“徳之島みかんノビレチン”は、細胞を元気にし、細胞の物質生産を促進させることにより、しわ・たるみの予防効果が期待できます。

7. 徳之島みかんノビレチンの抗老化作用 -真皮線維芽細胞-

<試験方法>
真皮線維芽細胞を24時間培養。その後、“徳之島みかんノビレチン”含有EMEMを加え24時間培養。RNA抽出よびcDNA合成、cDNAを用いてRT-qPCR
試験濃度:2, 20, 200μg/mL

<遺伝子の特徴>
COL1(Collagen-1:1型コラーゲン)
真皮に存在する線維芽細胞から産生され、肌の弾力や強度に関与するコラーゲンの1つ。年齢と共にコラーゲンは減少・変性し、ハリ低下、シワ発生の原因となります。
ELN(Elastin: エラスチン)
肌の弾力を維持するために重要なタンパク質。コラーゲンと共に肌のハリの維持に関与します。真皮に存在する線維芽細胞から産生され、紫外線や加齢などにより減少・変質するとハリ低下やシワの原因となります。
HAS1,2(Hyaluronan synthase-1,2: ヒアルロン酸合成酵素-1,2)
真皮でのヒアルロン酸合成を担う酵素。真皮に存在する線維芽細胞に発現し、高分子のヒアルロン酸を作り出します。HAS2はHAS1よりも高分子のヒアルロン酸を産生します。ヒアルロン酸は肌の水分保持に関与し、肌にハリを与えてシワを防ぎます。

<結果と考察>
“徳之島みかんノビレチン”はCOL1、ELN、HAS1およびHAS2の遺伝子発現を促進しました。
真皮にはⅠ型コラーゲン(COL1)が多く存在し、肌のハリや弾力を与え、シワを作りにくくします。
エラスチン線維はコラーゲンを支えるように存在し、肌に弾力やしなやかさを与え、シワのできにくい肌を保ちます。
真皮ヒアルロン酸は真皮中の水分を保持し、肌にハリを与えシワの形成を抑えます。
これらのことから、“徳之島みかんノビレチン”は、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸の産生を促進し、肌に潤いとハリを与えて若々しい肌を保つことが期待できます。


8. 徳之島みかんノビレチンの抗炎症関連の美白作用 -ヒト表皮角化細胞-

<試験方法>
ヒト表皮角化細胞を24時間培養。その後、”徳之島みかんノビレチン”含有DMEMを加え48時間培養。RNA抽出よびcDNA合成、cDNAを用いてRT-qPCR
試験濃度単位: 2, 20 μg/mL

<遺伝子の特徴>
COX2(Cyclooxygenase-2: シクロオキシゲナーゼ-2)
炎症性エイコサノイドであるプロスタグランジンE2(Prostaglandin E2: PGE2)を作り出す酵素。紫外線などの影響により表皮細胞でCOX2が増加し、PGE2が過剰に作り出されます。このPGE2が色素細胞を刺激して、メラニン産生を促進します。
PAR-2(Protease-activated receptor-2: プロテアーゼ受容体)
メラノサイトから表皮細胞へのメラニンの移行に関わり、表皮細胞内にメラニンを貯留させるタンパク質。紫外線や炎症によって増加し、表皮細胞が過剰にメラニンを抱え込むとシミの原因となります。

<結果と考察>
”徳之島みかんノビレチン”は、ヒト表皮角化細胞において、COX2とPAR2の遺伝子発現を抑制しました。
紫外線などによって発生するROSは、表皮細胞の様々な“遺伝子スイッチ”を入れ、COX2などの炎症性のタンパク質の産生が促進されます。このような、皮膚の微弱炎症によりメラノサイトが活性化され、メラニンが過剰生産されます。また、紫外線や炎症はPAR2も増加させ、表皮細胞にメラニンを蓄積させます。
”徳之島みかんノビレチン”には、これらの因子を抑制することによる美白効果が期待できます。


9. 製品情報

原料情報
・鹿児島県徳之島で収穫・製造される果汁の搾汁残渣を活用
・表示名称:シイクワシャー果皮エキス(シークニン)
・INCI名: CITRUS DEPRESSA PEEL EXTRACT
・中文名称:扁平橘(CITRUS DEPRESSA)果皮提取物

安全性情報
・24時間閉塞パッチテスト:刺激性なし
・SIRC細胞を用いた眼刺激性試験:刺激性なし
・ROSアッセイによる光毒性試験:陰性


10. 徳之島みかんノビレチンの抗老化&美白作用 -まとめ-

”徳之島みかんノビレチン”に含まれるノビレチンなどのメトキシフラボンは角層に浸透し、線維芽細胞を賦活させます。
1型コラーゲン、エラスチンおよびヒアルロン酸といったシワ防止やハリの維持において重要な成分の産生を高めます。
抗炎症作用やメラニン産生・蓄積抑制による美白効果も発揮します。。
これらのことから、”徳之島みかんノビレチン”は、エイジングユーティリティー原料として期待できます。
 ※ユーティリティー:「多用途の、有用な」の意



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