赤詰草の花イソフラボン
北海道の大自然の恵み
FGP ~ 赤詰草の花イソフラボン ~2019.02.13
北海道の大自然で育った赤詰草の花を一つ一つ丁寧に手摘みしました。
紫外線ストレスで分解されてしまう真皮ECMを保護。
女性ホルモン様作用が期待できる高浸透型イソフラボン含有の国産原料です。
FGP: ふるさと元気プロジェクト
1. 赤詰草とは
マメ科シャジクソウ属で学名「Trifolium pratense」、ムラサキツメクサやレッドクローバーとも呼ばれます。
緑化用、牧草もしくは野草として世界中に広く分布していて、身近な野草の一つです。
マメ科植物特有の空中窒素固定能を有しており、土壌を肥沃にすることから、緑肥としても利用されています。
まさに学名の種小名「pratense」が、「牧場に見られる」のラテン語に由来しているとおりです。
ハーブとしても世界中で利用されています。
薬効としては、更年期症状の抑制や痛み止め、気管支炎への治療効果などがあり、
うがい薬としても使用されています。
赤詰草にはマメ科植物特有のイソフラボンを含むことから、女性ホルモン様作用が期待されています。
日本国内でもレッドクローバーの名称でハーブとして多く流通していますが、
それらはアメリカや東欧諸国などの海外産がほとんどです。
あまり大豆を食べる習慣のない欧米諸国においては、
レッドクローバーはイソフラボンの数少ない供給源となっています。
2. 北海道のハーブ農園
北海道白老(しらおい)町にある「ファーム北の香」は、
北海道産ハーブの美味しさ、葉や花の美しさ、香りのすばらしさ、を追求し、
高品質で新鮮なハーブを生産しているハーブ農園です。
本原料に使用している赤詰草の花は、「ファーム北の香」で品質を確認しながら一つ一つ手摘みで収穫され、丁寧に乾燥されたものです。
北海道の大自然のなかで育った完全無農薬品になります。
3. 赤詰草の花は高浸透型イソフラボンを含有
大豆に含まれる一般的なイソフラボンはマロニルダイジンやマロニルゲニスチンなどの
水溶性で分子量の大きい配糖体です。
一方、赤詰草の花に含まれるイソフラボンは糖のないアグリコン型です。
アグリコン型イソフラボンは、低分子で脂溶性が高まることから、経皮吸収性に優れています。
また、イソフラボンは糖がはずれてアグリコン型になることで、
はじめて女性ホルモン様作用(エストロゲン類似構造)をもつことができます。
さらに、赤詰草の花のイソフラボンは、B環の4位がメトキシ基で置換された構造をもつ、
脂溶性の高い(極性の低い)メトキシイソフラボンです。
このメトキシイソフラボンは、大豆には含まれないイソフラボンです。
このように”赤詰草の花イソフラボン”は
「アグリコン型/低分子/脂溶性/エストロゲン類似」構造を有する高浸透性を特長としています。
4. イソフラボンの女性ホルモン(エストロゲン)様作用
糖の結合していないアグリコン型イソフラボンは、女性ホルモンの一つであるエストロゲンと構造が類似しています。そのためフィト(植物)エストロゲンとも呼ばれ、エストロゲン受容体に入り込み、エストロゲン様作用を発揮します。
閉経後の更年期にエストロゲン量が大きく低下することが知られていますが、
若い女性でも周期的にエストロゲン量は低下します。イソフラボンはエストロゲン様作用だけでなく拮抗作用も併せ持ち、過剰な場合は排出され、
体内エストロゲン量は適正に保たれます。
皮膚にもエストロゲン受容体は発現しており、エストロゲンは皮膚生理機能に関与し、皮膚の状態を改善します。エストロゲンは、角層の水分を保持し、真皮のコラーゲン合成、エラスチン合成、ヒアルロン酸合成を促進して肌のハリを保ち、しわやたるみを防ぐ働きがあります。また、皮脂の分泌を抑制してニキビを防ぐ効果もあります。
5. 北海道産の赤詰草の花はイソフラボン以外のポリフェノールも高含有
赤詰草の花には高浸透型のメトキシイソフラボンの他に、ケルセチン配糖体が多く含まれています。とくに、北海道産の赤詰草の花は、外国産よりもケルセチン量が2倍以上も多いことが分かりました。これは、フラボノイドのなかでもとくに抗酸化性の高い物質で、酸化レベルの高い角層の浅層で高い抗酸化力を発揮し、ROSから肌を守ります。また、表皮には配糖体加水分解酵素が存在していることから、これらのケルセチン配糖体が緩やかに分解されることによる持続的な効果も期待できます。
イソフラボンは大豆製品に含まれることで有名ですが、大豆にはイソフラボン以外のフラボノイドはほとんど含まれていません。一方、赤詰草には高浸透型イソフラボンに加えて、高抗酸化型フラボノイドの両方を併せ持ちます。
さらに、カカオポリフェノールにも含まれるクローバミドという珍しいポリフェノールも含まれ、これは抗炎症作用や酸化ストレス抑制作用をもつことが知られています。抗アルツハイマー作用があるとして注目されている成分でもあります。
6. “赤詰草の花イソフラボン“に含まれるポリフェノール
7. 有効性情報と期待される効果
有効性情報
・ラジカル消去
・スーパーオキシド消去
・過酸化脂質生成抑制
・過酸化水素消去
・女性ホルモン様作用 ※参考
期待される効果
・抗酸化
・抗光老化
・皮脂抑制
・抗ニキビ
・しわたるみ改善
・保湿
<参考>
1) Widyarini S et al. Photochem Photobiol. 74 465-70 (2001)
Isoflavonoid compounds from red clover (Trifolium pratense) protect from inflammation and immune suppression induced by UV radiation.
2) Mu H et al. Phytomedicine. 16 314-319 (2009)
Research on antioxidant effects and estrogenic effect of formononetin from Trifolium pratense (red clover).
3) Mi Hye Kim et al. Planta Med. 82 65–69 (2016)
Topical treatment of hair loss with formononetin by modulating apoptosis.
8. ”赤詰草の花イソフラボン”はプロリン高含有 -LCMS分析-
”赤詰草の花イソフラボン”には、アミノ酸の1種のプロリンが多く含まれます。分析対照として使用した豆乳はプロリンを比較的多く含む食品です。プロリンには、表皮細胞賦活作用、コラーゲン合成促進作用、角質層保湿作用などが期待できます。
9. “赤詰草の花イソフラボン”の抗老化作用 -真皮線維芽細胞-
<試験方法>
真皮線維芽細胞を24時間培養。“赤詰草の花イソフラボン”含有EMEMを加え24時間培養。その後、RNA抽出よびcDNA合成。cDNAを用いてRT-qPCR
試験濃度:25, 250μg/mL
<遺伝子の特徴>
MMP1(Matrix metalloproteinase-1: マトリックスメタロプロテアーゼ-1 )
肌に弾力性を与えてくれるコラーゲンを分解する酵素。紫外線により増加し、コラーゲンの分解を促進させます。また加齢や炎症によっても多く作られ、シワの形成やハリの低下に繋がります。
NEP(Neutral endopeptidase: 中性エンドペプチダーゼ)
ハリや弾力があり、シワができにくい肌の維持に必要不可欠な成分「エラスチン」を分解する酵素。紫外線に晒された真皮線維芽細胞で増加し、エラスチンを分解します。紫外線に関係深い光老化によるハリや弾力の低下、シワ形成に関与します。
<結果と考察>
“赤詰草の花イソフラボン”はMMP1とNEPの遺伝子発現を抑制しました。
加齢や紫外線などによって発生した活性酸素種(Reactive Oxygen Species:ROS)は線維芽細胞を刺激します。刺激を受けた線維芽細胞は、コラーゲンとエラスチンの分解酵素であるMMP1やNEPの産生を促進します。これらの分解酵素によるコラーゲンとエラスチンの減少や変性は、肌の柔軟性や水分保持機能を低下させます。加齢や紫外線などが原因で柔軟性の低下した肌や乾燥した肌では、表情の癖によって生じた表情線の跡が消えずに細かく浅いシワとなって肌に残ります。細かく浅いシワは大きく深いシワとなり、常にシワの刻まれた肌となります。
“赤詰草の花イソフラボン”のコラーゲンとエラスチン保護効果も、女性ホルモン様作用の一つと考えられます。
10. “赤詰草の花イソフラボン”の抗酸化作用
<試験方法>
ラジカル消去試験:DPPHラジカルの消去能を測定
過酸化脂質生成抑制試験:リノール酸が酸化してできる共役ジエンを測定
スーパーオキシド消去試験:キサンチン/キサンチンオキシダーゼ系により生じるO2-を測定
過酸化水素消去試験:過酸化水素をペルオキシダーゼ共存下でDA64により測定
試験濃度:250μg/mL
<結果と考察>
”赤詰草の花イソフラボン”は、ラジカル消去活性と過酸化脂質生成抑制活性、スーパーオキシド消去活性、過酸化水素消去活性を示しました。紫外線暴露により生じるROSを消去することにより光老化抑制効果が期待できます。また、過酸化脂質の生成を抑制することにより、過脂化メラニンの産生を抑え、皮膚のターンオーバーを正常化することによる、美白効果も期待できます。
クローバミドは、H2O2ストレスに対する生体防御効果をもつことが知られています。※4)
4) Zamperone A. et al. Food Funct. 5 2542-51 (2014)
11. 製品情報
原料情報
・北海道白老町のファーム北の香で収穫・乾燥された赤詰草の花
・表示名称:アカツメクサ花エキス
・INCI: TRIFOLIUM PRATENSE (CLOVER) FLOWER EXTRACT
・中文名称:红车轴草(TRIFOLIUM PRATENSE)花提取物
安全性情報
・24時間閉塞パッチテスト:刺激性なし
・SIRC細胞を用いた眼刺激性試験:刺激性なし
・ROSアッセイによる光毒性試験:陰性
12. ふるさと元気プロジェクト(FGP)
FGPの目指す化粧品のバリューチェーン
地域農産品(一次産品)のもつ固有の価値(バリュー)に
①化粧品OEM会社の有する技術力
②化粧品販売メーカーの企画販売力
③消費者の評価
などが加わることにより、一次産品の価値が連鎖的に高まります。
消費者は、化粧品製品と産地に共感を覚え、
産地への共感は、SNSによる拡散、一次産品の購買行動、観光など、地域振興へとつながります。
化粧品により「赤詰草の花」に付与された新しいバリューが、生産者にフィードバックされます。
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