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植物ヒト型セラミド

 
世界初! 植物由来なのに皮膚同一型
 ~ 植物ヒト型セラミド ~
Plant Human Ceramide

✔ 植物から世界で初めて実用化したヒト型セラミド
✔ 「与える&作らせる」のダブルで肌セラミドをケア
✔ 肌本来の超長鎖型セラミドを豊富に含み、さらに高浸透化を実現
✔ 未利用資源(和栗の皮)を活用したエシカル&アップサイクル原料

    植物ヒト型セラミドの構造(セラミドAP)

 


期待される効果と有効性情報

期待される効果

■皮脂(ニキビ)・毛穴・頭皮・加齢臭 シミ

有効性情報

■保湿・バリア機能
キメ(臨床試験)
角層水分量増加(臨床試験)
角層水分蒸散抑制(臨床試験)
セラミド産生(SPTLC1)
セラミド産生(GBA1)
フィラグリン産生(FLG)
コーニファイドエンベロープ成熟(TGM1)

■シワ  
キメ(臨床試験)
ヒアルロン酸産生(HAS1生成促進)
エラスチン産生(ELN生成促進)
コラーゲン保護(MMP1生成抑制)

■ニキビ  
バリア機能改善
エラスチン産生(ELN生成促進)
コラーゲン保護(MMP1生成抑制)
抗炎症(PAR2生成抑制)

・セラミド構造が超長鎖型(脂肪酸の長さが24や26など):
 従来の化学合成セラミドより肌のバリア機能改善能に優れる
・セラミドリポソーム化による高浸透性・肌なじみの良さ


 

1. 植物ヒト型セラミドの特長

植物由来(栗皮)でヒト型構造(セラミドAP)をとり、超長鎖を特長とする世界初のセラミドが「植物ヒト型セラミド」です。

■ 由来(起源):和栗の皮です。当社は、栗が外皮形成の際に植物ヒト型セラミドを生産することを発見しました。種子(栗の実)の乾燥を防ぐため、ヒトの角層と同様にセラミドを蓄積し、保湿していることが考えられます。
■ ヒト型セラミド:ヒト皮膚のセラミドと同等の構造を意味します
■ セラミドAP:αヒドロキシ(Alpha-hydroxy)脂肪酸とフィトスフィンゴシン(Phytosphingosine)が結合したヒト型セラミドで、それぞれのイニシャルのAとPを組み合わせた名称です。
■ 超長鎖:ヒトの肌の主要なセラミド成分は、脂肪酸鎖長が炭素数24などの超長鎖セラミドです。植物ヒト型セラミドの多くもC24やC26などの超長鎖セラミドです。超長鎖セラミドは、角層の細胞間脂質として安定なラメラ層を構築しバリア機能を高めます。なお合成セラミドの脂肪酸鎖長はC18と短いものです。

                  植物ヒト型セラミドのポジショニング

2. ヒト型セラミドについて

セラミドは皮膚の細胞間脂質で、保湿とバリア機能においてもっとも重要な成分の一つです。
セラミドはスフィンゴシン(第一級アミノアルコール)と脂肪酸が酸アミド結合した構造をとり、スフィンゴ脂質という物質群に分類されます。最新の文献によると、以下のようにヒトの肌には大きくは25分類、さらに細かく分類すると1300種以上のセラミド分子が確認されています。
 

    セラミド大分類:4×5=20分類
     ※タンパク質結合型ω-ヒドロキシ脂肪酸も加えると25分類

  これに脂肪酸とスフィンゴイド塩基の長さが加わり

    肌セラミド:1327種
      ※タンパク質結合型ω-ヒドロキシ脂肪酸セラミド254種も加えると1578種

文献)Whole picture of human stratum corneum ceramides, including the chain-length diversity of long-chain bases
M Suzuki et al. J Lipid Res. 63 (2022)

陸上動物は皮膚の角化過程でセラミドを作り出す特異的な力を持ちますが、このように実に多様なセラミドを作り出していることが分かります。これらが複雑に絡み合うことでラメラ構造が構築され、また一部はタンパク質と結合してコーニファイドエンベロープが構築されることで、陸上生活にも耐えうる強固な肌のバリアが構築されます。

これらと同じ構造をもつセラミド原料を「ヒト型セラミド」と呼びます。

セラミドは化粧品原料としてとても注目されている成分ですが、化粧品に使用されているセラミドのほとんどは化学合成品です。セラミドの名称は構造の違いから分類されており、現在の化粧品表示名称としては下図のように分類されています(Gは上図DSと同義)。

合成品ではないヒト型セラミドは微生物由来しかなく※参考文献)、植物由来のヒト型セラミドはこれまでありませんでした。

                 化粧品に用いられているヒト型セラミドの名称(図1)

3. 植物セラミドと動物セラミドについて

植物由来のセラミド原料は、コンニャクやコメなど多くの植物から実用化されています。これらはすべて、グルコシルセラミド(糖セラミド)という成分であり、人の肌のセラミドとは構造が大きく異なります。そのため主に食品用原料として使用されています。

動物由来のセラミドとしては、馬脊髄やミルク由来が挙げられますが、これらも人の肌のセラミドとは構造が大きく異なることが分かっています。馬由来はセレブロシド、ミルク由来はスフィンゴミエリンという成分になります。つまりこれまでの天然セラミドは、植物、動物由来に関わらず、すべて非ヒト型(角層セラミドとして)になります。

ヒト型セラミドは、糖やリン酸が結合していない遊離の形をとります。通常の生きた細胞には含まれないことから、自然界にはほとんど存在していない成分となります。植物におけるヒト型セラミドの前駆体は、グルコース結合型ではなく、リン酸結合型セラミド(酸性スフィンゴ脂質)になります。そのため、ヒト型セラミドはセラミドアグリコンとは呼ばず、遊離(フリー)セラミドと呼ぶこともあります。

一方ヒトの皮膚は、地上の乾燥ストレスに対抗するために、長い進化の過程でヒト型セラミドを恒常的に産生する能力をもっています。

※セレブロシド:セラミドにグルコースやガラクトースが結合したグリコシルセラミドのこと
※スフィンゴミエリン:セラミドにホスホリルコリンが結合したセラミドのこと

                   天然セラミドの分類と種類

4. 植物ヒト型セラミドの構造解析

 
植物ヒト型セラミドのLC-MSによる構造解析の結果から、40種のセラミド種の存在が確認されました。主要なセラミド種としては、総炭素数42(脂肪酸鎖長24、ヒドロキシリグノセリン酸)、総炭素数44(脂肪酸鎖長26、ヒドロキシセロチン酸)の超長鎖型セラミドが多いことが分かりました。(図中t18:0は炭素数18のフィトスフィンゴシンのこと)

なお化粧品に広く使われている合成セラミドは、総炭素数36(脂肪酸鎖長18、ヒドロキシステアリン酸)の単一分子種となります。

植物ヒト型セラミドは、「セラミドAP」タイプになります。セラミドAPは、脂肪酸のC2位に水酸基をもつαヒドロキシ型脂肪酸(Aalpha-hydroxy FA)とフィトスフィンゴシン(Phytoshingosine)が結合したセラミドになります。
 

5. 植物ヒト型セラミドの構造的な特長

  セラミドの角層内ラメラ構造

6. リポソーム化により高浸透性を実現

              リポソーム化した植物ヒト型セラミドの優れた角層浸透性

植物ヒト型セラミドは肌本来のセラミドと同等の超長鎖型構造を有していますが、結晶化しやすいという製剤上の課題がありました。そこで、植物ヒト型セラミド含有リポソーム液を調製し、テープストリッピング法により角層浸透性を評価しました。その結果、植物ヒト型セラミド含有リポソーム液では、通常処方の12倍以上、合成ヒト型セラミドの5倍以上まで角層浸透性を高めることに成功しました。
 

7. 植物ヒト型セラミド配合美容液のヒト連用試験

 
リポソーム化した植物ヒト型セラミドを独自処方で配合した美容液を4週間連用し、市販セラミドローションと比較しました。
 
 
■角質水分量の増加と水分蒸散量の抑制効果

植物ヒト型セラミド美容液を4週間連用したところ、市販セラミドローションと比較し、約2.5倍角質水分量の向上が見られました。経皮水分蒸散量においても、市販品よりも高い抑制効果が見られました。
 
 
■キメの改善効果①

植物ヒト型セラミド配合美容液を4週間連用することで、粗いキメの数が減少しました。
 
 
■キメの改善効果②

植物ヒト型セラミド配合美容液を継続使用することで、皮丘密度が増加しキメの改善効果が期待できます。
 
 
■肌解析データベースから、キメの改善効果①による若返り効果を算出

独自の肌解析データベース(300人)の結果から、年齢と粗いキメ個数との間には強い相関関係(R=0.729)が見られました。ここに植物ヒト型セラミド配合美容液により改善したキメ個数データ①を当てはめると、13.5歳の若返り効果に相当することが分かりました。

「高浸透化植物ヒト型セラミド配合化粧品」を継続使用することにより、肌が潤い、バリア機能が高まり、キメが整うことが期待できます。
 

8. 植物ヒト型セラミドの保湿作用 -遺伝子発現-


細胞を24時間培養。植物ヒト型セラミド含有DMEMを加え24時間培養。その後、RNA抽出よびcDNA合成。cDNAを用いてRT-qPCR。
FLG & SPTLC1: ヒト表皮角化細胞
TGM1 & GBA1: 0.5mg/mL(3D表皮モデル細胞)

 

<遺伝子の特徴>
FLG(Filaggrin: フィラグリン)
ヒトが持つ保湿成分である天然保湿因子(Natural moisturizing factor:NMF)の元となるタンパク質。肌の代謝と共に分解されてアミノ酸となり、NMFとして角質層水分を保持します。減少すると、肌のバリア機能や水分保持能が低下して乾燥の原因になります。
TGM(Transglutaminase: トランスグルタミナーゼ)
肌のバリア機能に関わる「コーニファイドエンベロープ(Cornified envelope:CE)」の形成や成熟促進をする酵素。湿度が高い環境で活性が高まり、成熟したCEを生成します。CEの成熟は、肌のバリア機能や水分保持能の維持・向上に繋がります。
SPT (Serine palmitoyl transferase: セリンパルミトイルトランスフェラーゼ)
セラミド生合成経路の初発律速酵素。セリンとパルミトイルCoAを縮合させてセラミドの基本骨格を作り、細胞内のセラミドの種類と量に大きな影響を与えます。
GBA(β-glucocerebrosidase: β-グルコセレブロシダーゼ)
セラミドの前駆体であるグルコシルセラミドからセラミド(セラミドEOP(セラミド1))などを産生する酵素。表皮細胞で産生され、外的刺激から守るバリア機能を担っています。加齢などによりセラミドが減少すると乾燥の原因となります。
 

<結果と考察>
植物ヒト型セラミド(0.5ng/mL)は表皮細胞のフィラグリン合成遺伝子(FLG)の発現を促進させました。また、その活性は合成ヒト型セラミドよりも高いものでした。これにより、角質細胞内は天然保湿因子(NMF)で満たされ、肌の密理(キメ)が整い、潤いが与えられます。フィラグリンに由来するアミノ酸はNMFの約40%を占めます。

トランスグルタミナーゼ遺伝子(TGM)は角質細胞にコーニファイドエンベロープ(周辺体)を作り出し、角質細胞自体とバリア機能を強固なものとします。

さらに、植物ヒト型セラミドは、セラミド産生の律速酵素であるSPTと、グルコシルセラミドを分解してセラミドに変換するGBAの遺伝子発現を促進させました。

植物ヒト型セラミドは、肌にセラミドを作らせるだけでなく、NMFの産生とバリア機能強化にもアプローチすることより、肌に潤いを与えることが期待できます。
 

 
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以上の結果から、植物ヒト型セラミドは保湿・バリア機能改善において、肌にセラミドを「与える」だけでなく、「作る」こともサポートする原料といえます。

9. 植物ヒト型セラミドの抗老化作用 -遺伝子発現-


真皮線維芽細胞を24時間培養。その後、植物ヒト型セラミド含有EMEMを加え24時間培養。RNA抽出よびcDNA合成。cDNAを用いてRT-qPCR。試験濃度: 0.5 ng/mL

植物ヒト型セラミドの抗老化遺伝子発現に与える影響

<遺伝子の特徴>
HAS1(Hyaluronan synthase-1:ヒアルロン酸合成酵素-1 )
真皮でのヒアルロン酸合成を担う酵素。真皮に存在する線維芽細胞に発現し、高分子のヒアルロン酸を作り出します。ヒアルロン酸は肌の水分保持に関与し、肌にハリを与えてシワを防ぎます。
ELN(Elastin:エラスチン)
肌の弾力を維持するために重要なタンパク質。コラーゲンと共に肌のハリの維持に関与します。真皮に存在する線維芽細胞から産生され、紫外線や加齢などにより減少・変質するとハリ低下やシワの原因となります。
MMP1(Matrix metalloproteinase-1:マトリックスメタロプロテアーゼ-1 )
肌に弾力性を与えてくれるコラーゲンを分解する酵素。紫外線により増加し、コラーゲンの分解を促進させます。また加齢や炎症によっても多く作られ、シワの形成やハリの低下に繋がります。

<結果と考察>
植物ヒト型セラミドは真皮線維芽細胞のヒアルロン酸合成酵素遺伝子(HAS1)とフィラグリンの発現を促進させました。またコラーゲンを分解してしまうMMP1の発現を抑制しました。これらの活性は、合成ヒト型セラミドよりもいずれも高いことが示されました。
 

10. 植物ヒト型セラミド -まとめ-

植物のセラミド代謝においては、植物特有の構造をもつグルコシルセラミドを作る系と、ヒト型のセラミド骨格をもつ高分子のリン酸結合型セラミドを作る系の大きく2系統が存在します。前者のグルコシルセラミドは肌のセラミドとは構造が大きく異なるものの多くの植物から実用化され、いわゆる「植物性セラミド」として主に食品として利用されています。一方、後者のリン酸結合型セラミドは、プログラム細胞死という生命現象下でリン酸結合が切れてヒト型セラミドに変換されます。それが栗皮に蓄積していることを当社は発見しました。ヒトの皮膚代謝で恒常的に起きているセラミド生産が、植物の外皮形成においても起きていることが示唆されます。

植物ヒト型セラミドは肌のセラミドと同等の構造である超長鎖型をとり、肌本来の保湿機能を改善します。また肌の保湿関連遺伝子の発現を促進させることにより、肌自身の保湿因子生産能を改善します。

植物、海から陸へ5億年

人間、海から陸へ4億年

厳しい自然環境のなか種子を守る栗皮

水のない乾燥環境に適応するために進化してきた肌

植物に秘められたセラミドの力が肌に潤いを与えます。

11. 国産植物にこだわる化粧品OEM会社が発明した世界初の植物原料

植物と人は生物学的に大きく異なり、植物成分の生体親和性は必ずしも高いとは言えません。サティス製薬は、植物を独特に活用し、植物成分のバイオアベイラビリティを向上させる研究を鋭意進めており、植物ヒト型セラミドもその成果の一つです。

12. 参考文献

福光ら,セラミド研究会第1回学術集会要旨集 (2008)
柚木,スフィンゴ脂質およびスフィンゴ脂質の取得方法 特開2012-41518 (2012)
柚木,Fragrance Journal 41 44 (2013)
柚木,和栗の皮からの植物ヒト型セラミド高含有原料の開発 月刊BIOINDUSTRY 5月号 pp54-62 (2017)

13. 製品情報

原料情報
原料産地:主に茨城県産の栗皮
表示名称:セラミドAP (or セラミド6II), フィトステロールズ, グルコシルセラミド (or スフィンゴ糖脂質)
INCI: CERAMIDE AP (or CERAMIDE 6II), PHYTOSTEROLS, GLUCOSYL CERAMIDE (or GLYCOSPHINGOLIPIDS)
中文名称:神经酰胺 6 II, 植物甾醇类, 糖鞘脂类(GLYCOSPHINGOLIPIDS)

安全性情報
・24時間閉塞パッチテスト:刺激性なし
・SIRC細胞を用いた眼刺激性試験:刺激性なし
・ROSアッセイによる光毒性試験:陰性



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