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純正椿種子エキス

 
ふるさと元気プロジェクト [医薬部外品表示名称:ツバキエキス]
              ※賦形剤・防腐剤ゼロ粉体原料

〜椿油粕100%エキスが頭皮と髪の酸化ダメージを抑制し髪を艶やかに〜

毛髪の艶改善&頭皮ケア原料 〜純正椿種子エキス〜

✔︎ 江戸から続くナチュラル美容素材
✔︎ 有効成分カメリアサポニンの優しい毛髪洗浄・保護効果
✔︎ 大島産の玉締め椿油の粕を活用したクリーンビューティー原料

 


1.期待される効果と有効性情報

期待される効果

■美髪・抗炎症・活性酸素消去

有効性情報

■美髪
毛髪の艶(ダメージ毛光沢改善)
毛髪のなめらかさ(ダメージ毛摩擦係数改善)
過酸化脂質生成抑制(リノール酸過酸化抑制)
活性酸素消去(O2-・OHラジカル消去)


 

2.古くから愛される日本原産の椿

2.1 日本における椿文化

椿は寒い冬の間も枯れることなく艶やかな緑色の葉を保つことから、不思議な力を持つ神聖な植物とされてきました。また、散るのではなくポトリと花ごと落ちる椿は、武家社会でも「潔し」とされて好まれていました。

木材
縄文時代の遺跡からは、ヤブツバキの櫛が出土されています。椿の木は均質で木質が硬く、磨くとツヤが出ることから、櫛や食器としての生活への利用のほか、将棋の駒、楽器、彫刻などさまざまな文化的利用がなされてきました。また、椿は神が宿る木とも考えられており、邪気や災いを払う霊力があるとされます。

源氏物語に、「椿い餅」という菓子の記述があります。餅を二枚の椿の葉で挟んだ「椿餅」は、日本最古の和菓子ともいわれ、今でも茶菓子として楽しまれています。山菜のアク抜き、打撲傷の治療にも使われます。

椿の花は茶道の席に飾る茶花です。一輪一輪を愛でるようにツバキの花は楽しまれています。また、「花びら染」の染料としても利用されてきました。
種子
椿種子から取れる油はオレイン酸が主成分で肌や髪なじみが良いとされています。天ブラなどの食用油としても使われます。酸化しにくく臭いがないことから、髪油として古くから利用されています。五島列島(長崎県)と伊豆諸島(東京都)が2大産地です。

このように椿は、「生活文化の象徴」、「生命力の信仰」として日本人に愛されてきました。
 


2.2 江戸女性は椿種子の油と粕で髪を艶やかに

 
江戸時代の女性は、洗髪にはうどん粉のほかに、椿油粕を使用していました。椿油粕を布袋に入れ、お湯の入ったタライの中で揉んでエキスを溶かし出します。その液体で髪や頭皮を洗浄します。髪だけでなく頭皮や顔の肌にも艶や潤いを与えていたそうです。

現在でも市販のシャンプーで毛髪・頭皮が荒れてしまう人の中には、椿油の粕から得られるシャンプー液を使用している人もいます。
 

都風俗化粧伝より

3.椿油粕の魅力

3.1 玉締め椿油の粕とは

 
本原料には、伊豆大島三原産椿の種子から伝統の玉締め製法で作られた椿油の粕(高田製油所)を使用しています。熱をかけずにじっくりと油を搾り出し、圧力をかけない自然垂れによって製造することで、椿油本来の品質が活きています。

採油後の搾りかすは、肥料や燃料になります。搾りかすは、古来伊豆大島では天然のシャンプーとして利用されてきました。これは、種子の殻の部分に大量に含まれるサポニンの効果を期待してのものです。サポニンはシャボン(ラテン語)と同語源で、石鹸のような気泡性、界面活性を示します。
 


3.2 カメリアサポニン

 
椿種子から油を搾った後の油粕には、サポニンが豊富に含まれます。サポニンは昔から生薬として使われてきた成分で、鎮静・抗炎症作用・抗アレルギー作用などの薬理効果があるといわれています。頭皮や肌を冷やす作用があるともいわれています。椿の実に含まれるサポニンは「カメリアサポニン」と呼ばれて、多くの分子から構成されています。
 

カメリアサポニンB2(椿の代表的なサポニン)

 
サポニンとは、油に馴染みやすい低極性分子であるトリテルペンやステロールと、複数の糖鎖が結合した物質のことです。その両親媒性構造から、水と油を中和する力を持ちます。つまりサポニンは天然の界面活性剤です。そのため、むかしからシャンプーや洗剤の代わりに使われてきました。

<参考>
つばき油の文化史、有岡利幸著、生活文化史選書(2014)
 


3.3 合成界面活性剤の課題

 
合成界面活性剤は、肌への浸透力を上げるためにシャンプーや化粧水などにも含まれているもので、肌や髪などへのダメージが大きいことが問題視されている成分です。
界面活性剤の性質によって異なりますが、頭皮刺激性、ターンオーバー周期の乱れ、フケ発生、毛髪キューティクル剥離、毛髪タンパク質変性などの影響が報告されています。これらは、頭皮の荒れや髪のパサつきの原因になります。

<文献>
Anionic surfactants as detergents for scalp and hair
K Miyazawa et al. J Oil Chem Soc 38 (1989)


3.4 化粧品は液体から固体へ:クリーンビューティー原料

 
本原料は、トレーサブルな伊豆大島産の椿種子の搾り粕から抽出されたエキスをそのまま粉末化した、賦形剤ゼロ防腐剤ゼロの100%エキスパウダーです。原料名「純正」の由来でもあります。

SDGsの取り組みが世界的に広がるなか、消費者の環境負荷製品への厳しい目線や、エシカル製品への関心の高まりから、化粧品産業においてもイノベーションは急務です。消費者からの「クリーンビューティ/コンシャスビューティ」に対するニーズも高まっています。

当社は防腐剤フリーの粉体機能原料を開発することで、サステナブルな化粧品事業を実践していきます。
 

4.椿油粕エキスの美髪効果

4.1 ダメージ毛の改善(艶やか・滑らか作用)

<試験方法>
ダメージ毛束を洗浄液に浸し5分放置。髪を取り出してから1分間毛を洗浄液で手で揉み洗い。毛束を流水で洗浄後、ドライヤーで乾燥。

※毛髪ダメージ加工:毛髪をアンモニア含有疑似ブリーチ剤に漬け40℃で加熱。流水で洗浄後、軽く水気を取ってからドライヤーで乾燥。同様の操作を計3回行った。

測定:
・光沢:マルチ皮膚計測装置(Courage+Khazaka)
・摩擦係数:毛髪多目的試験機(ダイアストロン)


 

ダメージ毛を5%合成界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム)で処理すると、光沢と摩擦係数ともに悪化することがわかりました。しかしそこに0.5%椿粕エキスが加わると、艶(光沢)は非処理よりも上昇し、滑らかさ(摩擦係数)も改善しました。
 

この毛髪の指どおりを評価したところ、6人中5人のパネリストが椿粕エキス処理品を選択しました。椿粕エキスを0.5%配合するで、明らかに髪の滑らかさは改善されました。
 


4.2 活性酸素消去・脂質過酸化抑制作用

<試験方法>
・スーパーオキシド消去試験:キサンチンオキシダーゼ系により生じるO2-消去能を測定
・OHラジカル消去試験:過酸化水素から生じる・OHラジカル消去能を測定
・過酸化脂質抑制試験:リノール酸が酸化して生じる共役ジエンを測定
試験濃度:3, 30 μg/mL
*P<0.05, **P<0.01, ***P<0.001


 

 
椿種子エキスは濃度依存的に活性酸素を消去しました。また、過酸化脂質生成においても30μg/mLの濃度で60%の高い阻害率を示しました。

様々な条件下で毛髪がダメージを受けることで、パサつきや枝毛が生じます。ヘアカラーなどのケミカル処理は毛髪に明らかな物性変化を伴うため分かりやすいダメージといえます。一方、日常生活での紫外線による毛髪のダメージは明確な物性変化を伴わないため認識されにくく、徐々に髪内部にダメージが蓄積されていきます。

毛髪に紫外線があたるとタンパク質(ケラチン)がカルボニル化(酸化)され、毛髪にダメージが蓄積されていきます。椿種子エキスは毛髪の酸化を防ぐことで外的刺激から髪を守る効果が期待できます。

<文献>
毛髪の紫外線ダメージ
Watanabe T. J Soc Cosmet Chem Jpn 48 (2014)


 

5.椿種子エキスの表皮細胞への影響

<スクラッチアッセイ>
2次元での細胞遊走を経時的に定量化するもので、最も一般的に使用されるin vitro創傷治癒アッセイのひとつです。細胞を単層でコンフルエンシーまで成長させ、ピペットチップで引っかき傷を付けて切開のようなギャップを作ります。傷ついた領域は、傷ついた直後と、その後一定時間画像撮影され、細胞遊走が定量化され、引っかき傷領域の閉鎖の平均割合として表されます。細胞遊走は損傷した組織の回復や再生に重要な性質です。
 

 
サポニンが含まれる身近な植物には茶や大豆などがあり、これらは化粧品原料としても人気の植物です。サポニンは、多くは人の健康に有益な効果を発揮しますが、一部のサポニンを含む植物には毒性を示すものもあります。また、サポニンは細胞に対して毒性を示す場合もあります。

そこで今回、椿種子エキスの細胞遊走と創傷治癒への影響を見るために、ケラチノサイトを用いたスクラッチアッセイを行いました。椿種子エキスを添加した細胞では、スクラッチ処理後の細胞遊走が阻害されることなく治癒が進み、またコントロールと比較したときにむしろ遊走・治癒を促進する可能性も示唆されました。
(120h:コントロールの未修復エリアを100としたとき、椿種子エキスは同83%)
 

6.原料情報

 
原料情報
・素材:伊豆大島産ヤブツバキ種子の油粕
・表示名称:ツバキエキス
・INCI名: Camellia Japonica Seed Extract
・中文名称:山茶(CAMELLIA JAPONICA)籽提取物
・自然由来指数:100% ※ISO 16128規定の自然原料等の定義と計算方法に基づく
産地:東京都など国産
医薬部外品表示名称:ツバキエキス
INCI: Camellia Extract

安全性情報
・24時間閉塞パッチテスト:刺激性なし
・SIRC細胞を用いた眼刺激性試験:刺激性なし
・ROSアッセイによる光毒性試験:陰性

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